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医学知識を分かりやすく説明

腎性尿崩症

・腎性尿崩症とは腎臓の集合管において、ADH(抗利尿ホルモン)に対する反応性が落ち、尿量が異常に増加する病態。

・原因としては、①高Li血症、②高Ca血症、③低K血症 が考えられる。

・治療は、サリアザイド系利尿薬である。遠位尿細管の再吸収を阻害することで、近位尿細管からの水の再吸収を増加させる。


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急性頭蓋内血腫

急性硬膜外血腫 急性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫について扱う。

急性硬膜外血腫…側頭部に多く、中硬膜動脈、板間静脈が損傷することにより生じる。(外頸動脈→顎動脈→中硬膜動脈)
受傷側に凸レンズ型の高吸収域を認める。
数分から、数時間は意識が清明である。
硬膜と頭蓋骨は比較的密に結合しているため、血腫は広がりにくい。

急性硬膜下血腫…架橋静脈、脳表動脈の破綻により生じる。(加速損傷に寄ることが多い。児童虐待の死因の第1位)
受傷部位と反対側に、三日月様の血腫を認める。
意識は受傷直後から清明でないことが多い。
予後は極めて不良である。
くも膜と硬膜の結合は緩いため、血腫は広がりやすい。

慢性硬膜下血腫…3ヶ月以上前に頭部受傷歴がある場合に疑う。
軽度の頭部受傷で、硬膜下に肉芽組織が形成され、これが容易に出血することで起こる。

脳膜、脳室系の構造と脳脊髄液の産生と循環

脳膜…外側から硬膜、くも膜、軟膜
硬膜は大脳釜、小脳テントをつくっている。
第3脳室…間脳に存在する。
第4脳室…橋、延髄、小脳に存在する。

脳脊髄液は脳室の脈絡叢より生成され、側脳室→モンロー孔→第3脳室→中脳水道→第4脳室→Luschka孔、Magendie孔、脊髄中心管、くも膜下腔を通る。

脳脊髄液の組成…基本的に血しょう成分と同じであるが、BBBがあるので、蛋白質の値は低い。
150ml循環しており、一日に約500ml生成される。よって一日3,4回入れ替わっていることになる。

脳脊髄液の役割…脳のクッション ホルモン、栄養分の運搬、代謝による老廃物の運搬

正常圧水頭症…1認知症2歩行障害3尿失禁が3徴候
著明な脳室拡大を認めるが、脳脊髄圧は正常。
シャント手術を行う。

中枢神経系と末梢神経系の構造

中枢神経系…脳+脊髄 
末梢神経…体性神経、自律神経

脊髄神経 8+12+5+5+1=31対
脳神経12対

神経膠細胞(glia)…神経細胞を保護、支持
星状膠細胞(Astrocyte Astroglia)…脳血液関門、神経伝達物質の回収
希突起膠細胞(Oligodendrocyte)…髄鞘を形成(末梢神経ではシュワン細胞)
上衣細胞(Ependymal cell)…脳脊髄液を循環 脳室の壁、脊髄中心管を覆う。
小膠細胞(Microglia)…炎症、損傷時に増殖、移動して貪食する。中胚葉由来であり、他の場所から胎生期後に脳内に侵入すると考えられている。

多発性硬化症…自己免疫機序で、中枢神経系の髄鞘が破壊され、脱髄を起こす。MRIで脳に瘢痕が見られる。
ギランバレー症候群…細菌感染後、シュワン細胞に対して自己抗体ができ、破壊され、弛緩性運動麻痺、呼吸筋麻痺が生じる。

血液脳関門
星状膠細胞の終足+基底膜+血管内皮細胞により形成される膜である。
例外として脳室付近の視床下部、松果体、脈絡叢、最後野(area postrema)には血液脳関門がない。
最後野では、D2(ドパミン受容体)と5-HT3が刺激されることで嘔吐を誘発する。(これらの受容体阻害剤が逆に抗嘔吐薬として用いられている)

通過しやすいもの 水 CO2 O2 ケトン体などの脂溶性の物質 アルコール 麻薬
選択的輸送 グルコース アミノ酸 Na K Cl
通過しにくいもの 電解質(上記の選択的輸送しているもの以外) 水溶性の物質 蛋白質

急性腸間膜動脈閉塞症 虚血性大腸炎 大腸癌

鑑別が必要 (急性腸間膜動脈閉塞症と虚血性大腸炎)

急性腸間膜動脈閉塞症
心臓壁にあった血栓が上腸間膜動脈が閉塞することで起こる。予後不良
好発)心房細動や弁膜症を基礎疾患として持っている人
症状)突然の激しい腹痛、初期には腹膜刺激症状を認めない。
検査法)腹部造影CTを行い、乗腸間膜動脈の欠損、腹水、腸の膨満などを認める。
治療法)開腹手術により、壊死した腸の部分を取り除く。可能であれば、腹部血管造影を行い、血栓溶解薬や血管拡張剤などをカテーテル投与する。

虚血性大腸炎
便秘などによって、左下行結腸への血流が低下することで起こる。(この部分は他の場所に比べて血管走行が粗い)予後良好。
好発) 高齢者に多い
症状)突然の左下腹部痛、下痢、下血
検査法)第一選択は内視鏡。粘膜の浮腫、粘膜下出血、びらんなどを認める。注腸造影により、母指圧痕像を認める。
治療法)保存療法 安静、絶食、補液。

大腸癌
好発) 60歳代のお年寄りが最も多い。
症状) 癌の発生部位により症状の種類、有無が異なる。
〜横行結腸 腸内容物が液状であることが多く、通行障害が起こりづらいため、症状が出にくい。
横行結腸、下行結腸、S状結腸 腸内容物が固形であり、通行障害が起こりやすい。血便、便秘などが起こる。

検査、治療の流れ)
内視鏡検査により、固有粘膜層の腺窩の形状pit patternにより、大腸病変の良性か悪性かを判断することができる。
注腸造影でapple core sign を認めたら、大腸癌を疑う。
TNM分類により、(肉眼観察による分類もある)進行度を判定し、それに基づいて治療法を決定する。
T:Depth of tumor invasion
内視鏡的検査、病理組織検査により調べることが出来る。

M,SM…早期癌 粘膜下層までにとどまる。リンパ節転移の可能性は極めて低い。
肉眼型分類では0型である。
MP~…進行癌 固有筋層より深部まで浸潤している。リンパ節転移の可能性がある。

N:lymph node
CT,MRIでリンパ節転移の有無を調べる。

M:Metastasis
PET,CTにより遠隔転移の有無を調べる。

大腸癌は、多臓器、周辺組織への浸潤、リンパ節性転移、血行性転移、腸壁を破って腹膜内に癌細胞がばらまかれることで生じる播種性転移により遠隔転移する。
最も頻度の高いのは肝転移である。門脈により、大腸の血液が直接流入するからである。

治療方針
0~Ⅲ型(遠隔転移のない場合)
リンパ節転移がなく、腫瘍を一括切除できる場合には、内視鏡的治療により、病変部位の切除
リンパ節転移の可能性がある場合には、腸切除+化学療法により根治的治療を行う。

Ⅳ型(遠隔転移有り)
原発巣、転移巣ともに切除可能な場合には、根治的治療を行う。
切除無理ならば、化学療法、放射線療法、緩和手術で緩和的治療を行う。
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